【特別区経験者採用】1級職と2級職のどちらを受けるべき?

【相談内容】
突然のご連絡失礼いたします。
新卒で特別区で4年間働き、その後東京都に転職し現在2年目です。

広域自治体の仕事に興味があり東京都に転職しましたが、実際に東京都で働いてみて特別区の規模や組織の方が自分に合っていて働きやすかったと今更ながら気付きました。
そのため、特別区経験者採用を受けたいと思っています。

以前勤めていた区は流石に採用していただけないと思うので、別の区狙いで受けてみようかと思っているのですが、完全に自己都合のこのような場合も受かる可能性はあるでしょうか。
また今年受けるなら経験者の1級で受けたいと思っているのですが、あと2年東京都で経験を積み2級で受けた方が、面接としては受かりやすいでしょうか。

ただ、1級の方が倍率が低く、来年度以降の採用数は減る可能性もあるため早いうちに受けた方がいいのではないかと考えてしまいます。
お恥ずかしい話で大変恐縮ですが、ご回答いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

【はじめに】
なるほど。

1級職を受けるか2級職を受けるかというところは、かなり多くの受験生が興味関心をもっているところだと思います。

ですのでこの際、私の見解を述べてみたいと思います。

倍率と難易度

まず、質問文の中に以下のような文章がありました。

また、今年受けるなら経験者の1級で受けたいと思っているのですが、あと2年、東京都で経験を積み、2級で受けた方が面接としては受かりやすいでしょうか?

結論から申し上げますと、私は1級職と2級職、他の条件が一定であれば、1級職の方が戦いやすいと思います。つまり、1級職を受ける方が合格の可能性は高いのではないかと考えます。

いくつか理由がありますが、まず一点目は倍率です。これは質問者さん自身が質問文の中で触れていることでもありますが、特別区の公式ホームページに掲載されている試験の実施状況を見ると、どの年でも1級職の方が倍率が低く、2級職の方が明らかに倍率が高いのです(※詳細は下記のリンクから)。

もちろん、倍率だけで入りやすさを判断するのは暴論かもしれません。しかし、他の条件が一定の場合、倍率が低いところを狙う方が妥当であり、合格の可能性も高いと考えるのは自然なことではないでしょうか。そういった観点から、1級職の方が好ましいのではないかと考えています。

それ以外にも、数字では表れにくい点についてお話ししたいと思います。概して1級職の受験生は、平均的には気軽に受けている人も多い印象です。つまり、年齢要件を満たしていて、「なんとなく公務員に転職してみたい」「専門試験もないし、一度受けてみよう」といった軽い気持ちで1級職を受けている方々が多いのです。現代風に言えば、本気で取り組んでいる人(ガチ勢)がそれほど多くないということです。

もちろん、Gravityを利用しているような本気の方々もいらっしゃいますが、平均的にはふわっと受けている人が多いのが1級職の現状かと思います。

一方、2級職については、私の指導経験から申し上げますと、非常にモチベーションの高い方々、本気度の高い方々が多いという印象です。なぜかと言いますと、1級職を受ける方よりも2級職を受ける方の方が年齢が上であることが多く、年齢が上がるにつれて、転職にはさまざまな覚悟が必要となります。例えば、既に家族がいる方や、転居を伴う可能性がある方もいらっしゃいます。

そのような状況で、2級職を受ける方々は大きな覚悟を持って受験されています。面接やさまざまなやり取りを通じて、2級職の受験者は1級職の受験者よりもモチベーションが高く、本気度が高いと感じることが多いです。したがって、受験者のモチベーションや本気度という観点からも、2級職は競争が激しいと言えるでしょう。

このことから、本気度の高い2級職よりも、比較的気軽に受けている人が多い1級職の方が戦いやすいのではないかと考えます。

リーダー・マネジメント経験

倍率や受験者の熱意以外にも、もう一点判断基準として考えていただきたいことがあります。それは、リーダーとしての経験や、小規模でもマネジメントの経験があるかどうかです。

具体的には、1級職は係員としての業務を行い、2級職は主任業務を担当します。主任は係員よりも大きな仕事を任されることが多く、場合によっては小規模なプロジェクトを任されることもあります。そのため、リーダー経験やマネジメント経験があるかどうかが重要になってきます。

実際、2級職を受ける方々は、民間企業でリーダーを務めた経験や、プロジェクトを担当した経験のある方が多いです。質問者さんがリーダー経験やマネジメント経験があるのであれば、2級職も検討してみてよいかもしれません。しかし、そういった経験がない場合は、1級職の方が適性としてふさわしいと考えますし、面接で厳しく問い詰められることも少ないでしょう。

つまり、倍率が低く、競争が比較的穏やかな1級職の方が戦いやすいのではないかということです。それでも迷われる場合は、自身のリーダー・マネジメント経験の有無で判断してみるとよいでしょう。

特別区への出戻り

最後に、次のようなご質問がありました。

以前勤めていた区は、さすがに採用していただけないと思うので、別の区を狙って受けてみようかと思っていますが、完全に自己都合のこのような場合でも受かる可能性はあるでしょうか?

つまり、以前特別区(おそらくⅠ類)に入職し、その後都庁に転職、今度は経験者採用で特別区を受験したいということで、このような出戻りが現実的に可能かというご質問ですね。

結論から申し上げますと、質問者さんの場合について確定的なことは言えませんが、実例は存在します。Ⅰ類で働いていて退職し、民間企業を経て、特別区の経験者採用で再び入職した方を知っています。詳細は控えますが、合格の可能性がないわけではないと考えます。

ただし、その方の場合、人事委員会面接や区面接で厳しく問い詰められたそうです。質問者さんが筆記試験を通過し面接に進んだ場合、過去の経緯について詳しく聞かれる可能性があります。

仮に圧迫面接論理的に厳しく質問されたとしても、的確に答えられるように面接対策を入念に行うことをお勧めします。また、可能な限り筆記試験で高得点を取れるよう、職務経験論文や課題式論文の対策に力を入れることは必須でしょう。

1級職か2級職かについては、まだ少し時間がありますので、今回のお話を参考に、もう少し検討してみてもよいのではないでしょうか。

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この記事の編集者
遠藤みずき

教員から公務員へ転職し、現在は社会人採用専門予備校Gravityで講師を務めています。当サイトでは、自身の受験経験(特別区経験者採用9位合格)や指導経験をもとに、特別区への転職を目指す皆さんに≪お役立ち情報≫をお届けします!

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