今回は特別区経験者採用の職務経験論文についてご案内をしていこうと思います。
諸々ご案内したいことはあるんですけれども、今回はとくに意識しておいていただきたいことをテーマにご案内をしていこうと思います。
書き出し
まず1つ目ですね、意識しておいていただきたいことが「書き出し」についてであります。論文の書き出しですね。
どういうことかを説明するために、そもそも職務経験論文がどういう感じの文章で設問文に問われているのか、ご案内をしてみたいと思います。昨年の問題をちょっと読み上げますね。
「ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた職場での取組について、あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分における立場として論じてください」
こんな感じの設問文になっています。そして、この設問文のちょうど半ばのところにこういう文章がありますね。
「あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから」
つまり、皆さんはまず書き出しの部分で、自分自身の職務経験について簡潔に述べるところから始めなくてはならないということです。
この書き出しですが、実は昨年だけでなく、職務経験論文が始まってからずっと「あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから」という文章が設問文に挿入されています。
ですから、今年や来年も、この文章は挿入され続けると思います。
したがって、皆さんの職務経験論文対策の第一歩は「職務経験を簡潔にまとめておくこと」です。ここから始めるのが良いでしょう。
職務経験のまとめ方
さて、すると「職務経験をどうやってまとめればいいのか」、「どんなことを話せばいいのか」という疑問が生じるかと思います。
まず、それぞれに「職務」、つまりやっている「仕事」があります。ですので、まずは「自分はこういう仕事をしています」ということを述べることが重要です。
具体的には、どのような仕事をしているのか、どのような職に就いているのかを説明します。その上で、仕事には様々な業務があります。
具体的な仕事の中には、さらに細分化された業務が存在しています。ですから、自分にとっての主だった業務を次に書いていくと良いでしょう。
つまり、「自分はこんな仕事をしています。その上で、具体的な業務は例えばこういうものとこういうものがあります」と記述します。そして、その上で、そうした業務を行う際に「自分はこういうことを意識しています」ということを書いていくと、さらに良いでしょう。
次に文字数についてですが、だいたいどのくらいを意識すれば良いのかという点です。
私自身は、書く際に(正確に測定したわけではありませんが)300字前後であったと記憶しています。これについては諸説あると思いますので、あくまでも参考程度に捉えてください。
ただ、300字前後を1つの目安にしておけば、大きな間違いにはならないだろうと個人的には思います。ということで、1つ目は書き出し、これまでの職務経験について簡潔に述べること、それをまとめておくことが重要です。
予想されるテーマ
次に2つ目ですが、「テーマ」について話していこうと思います。これまでの職務経験論文でどのようなテーマが主に問われてきたのか、これも過去の問題から取り出したものを紹介したいと思います。
少し読み上げますね。
「仕事の優先順位」
「職務上のトラブル対応」
「職務を進める上での課題解決に向けた取組」
「業務執行上のリスク対応」
「職場における創意工夫」
こういう感じのテーマが出題されています。
これを聞いていただいて、何となく感じていただけたかと思いますが、そこまで突飛なテーマが問われているわけではないですよね?
例えば、職務上のトラブル対応やリスク対応。これらは、お仕事をなさっている方であれば日々考えたり、実際に対応していることだと思います。
したがって、社会人の皆さんにとって、全く理解できないようなテーマが出てくる可能性はそれほど高くないでしょう。
では、その上で、どういうことを意識しておけば良いのかということですが、これは予想されるテーマについて、自分自身の仕事でネタを用意しておくことです。
どういうことかと申しますと、先程も申し上げたとおり、リスク対応やトラブル対応は、仕事をしている人なら誰でも考えなければならないことです。ただ、今までにどういうトラブル対応を経験してきたか、あるいはどういうリスク対応を普段しているのかは、各人異なります。
ですので、そうしたネタを自分の仕事の中で見つけて、整理しておくことが重要です。例えば、トラブル対応というテーマが出題されたときには、「自分の仕事ではこういうトラブル対応があるから、このエピソードを使って具体的に書こう」といった具合に、ネタとテーマに対応関係をもたせておくことが大事です。
したがって、皆さんは職務経験論文対策として、まず過去のテーマを確認した上で、自分の仕事において使えるエピソードを整理しておくことが重要です。また、日々の仕事の中で「このネタやこのエピソードは職務経験論文で使えるかもしれない」と感じたものがあれば、ノートやスマホにメモをとって整理しておくと役立つでしょう。
2020年からの変更点
次に3つ目ですが、これは何かと申しますと「2020年からの変更点」についてです。実は、職務経験論文は2020年からほんの少しだけスタイルが変わりました。
具体的には、こういう文章が挿入されるようになったのです。少し読み上げますね。
「採用区分における立場として論じてください」
こういう文章が挿入されるようになりました。それより前の年にはこのような文章はなかったのです。
ということは、「なるほど、確かにそれが変更点であれば、対応しなければならないのか」とご理解いただけると思います。
では、採用区分とはそもそも何なのかという話です。
これをご覧になっている方の多くは1級職を受けると思いますが、1級職について、採用区分にはこういう感じの記述があります。
「1 級職は係員の業務を行う職」
こういうふうに記述があります。
では、係員とは何かという話になりますが、ここでは非常に大雑把なイメージとして、窓口で住民対応をしている職員のことを指します。
皆さんも仕事やプライベートで市役所や区役所に行かれることがあると思いますが、そこで実際に対応してくださる職員の方がいらっしゃいますよね?そのような方をイメージするのが一番良いと思います。
つまり、1級職においては、そのように窓口対応する立場として論じる必要があるということです。
例えば、これをご覧になっている方がSE(システムエンジニア)だったとします。先ほどのテーマの話に少し戻りますが、SEとしてリスク対応やトラブルが起きたときにどう対応するか、というのは多くの事例があると思います。
もちろん、SE以外の方も同様です。ここで重要なのは、「それを窓口で住民対応する際にどう活かすことができるか」という点です。
つまり、SEとしてのリスク対応やトラブル対応を意識していることを、「窓口で住民対応する際にどう役立たせるか」という部分を考える必要があります。
自分の仕事で意識していることを、窓口での対応、係員としての仕事にどう繋げるか。これが非常に重要なポイントです。
ですので、単に「自分の仕事でこういうことを意識しています」というだけではなく、「普段意識していることを住民対応のときにどう活かせるか」を考えておくことが重要です。
まとめ
ということで、皆さんには3つのことをご案内しました。
1つ目は、これまでの職務経験を簡潔にまとめておくということ。
2つ目が、テーマと対応関係のある具体的なエピソードを用意して整理しておくということ。
3つ目が、採用区分における立場として、自分の仕事で意識していることを窓口、係員の立場になったときにどう役立たせることができるか、繋げることができるかを意識しておくということです。
以上が職務経験論文についてのワンポイントアドバイスとなります。ぜひ参考にしてください!
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