今回は特別区経験者採用の課題式論文についてご案内をしていこうと思います。
GravityのYouTube動画等でも触れたことのある内容ですが、とても重要なので改めてポイントをご案内していこうと思います。
大卒程度とは傾向が異なる
まず、特別区経験者採用の課題式論文について案内したいことの1つ目は、特別区Ⅰ類(大卒程度)の試験とは出題されるテーマが大きく異なっているという点です。
具体的に申しますと、大卒程度試験でよく見かける論文のテーマには、防災やICT、少子化、高齢化などが挙げられます。これらのテーマは比較的よく見かける、出題頻度が高いものですね(詳細は下記のリンクを参照)。
ところが、経験者採用試験ではこれらのテーマはほとんど出題されていません。では、経験者採用試験でどのようなテーマが出題されるのかというと、例えば「行政の効率化」や「民間企業との協働」、さらには「予算」や「費用の最小化」、すなわち「経費の削減」といったテーマが主に問われています(詳細は下記のリンクを参照)。
つまり、問われやすいテーマがまるで違うということです。大卒程度試験で問われやすいテーマにフォーカスして対策をしてしまうと、「全然違うじゃん…」ということになりかねません。
これを踏まえると、経験者採用の課題式論文で高得点を狙うためには、経験者採用にフォーカスした対策をすることが重要です。経験者採用と大卒程度は別物である点に注意してください。
ここは特に注意していただきたい点ですね。
設問文が短く抽象度が高い
もう1つの違いについてご案内します。それは「設問文が短くて、かつ抽象度が高い」という点です。
これを具体的な例で説明しましょう。まずは大卒程度の試験でどのようなテーマが問われているのか、2023年の問題を例にご案内したいと思います。
2023年の問題は以下のとおりです。
スマートフォン等の情報通信機器の普及に伴い、区民生活のデジタル化が進む中で、行政の情報発信のあり方にも変化が求められています。特別区においても、デジタル・デバイドの解消を推進する一方で、今後の社会の担い手となる、10代・20代を中心とした若年層について、その情報収集手段や価値観、生活環境を理解した上で情報発信を行う必要があります。また、行政活動である以上、効果検証や継続性の視点も重要です。このような状況を踏まえ、若年層に伝わりやすい行政情報の発信について、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。
これがⅠ類の試験で出題されたものです。 設問文が非常に長いですよね。
かつ、具体の度合いがかなり高いと感じませんか?すなわち、設問文が長いので、「若年層への行政情報の発信」という課題について、割と細かめに状況設定や課題を提示してくれています。
なので、この流れに沿うだけで、ある程度論文を書けてしまうわけです。
ところが、同じ年の経験者採用では以下のような問題が出題されました。
図書館機能の充実について